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中学公民:基本的人権(自由権、社会権、新しい権利)

 基本的人権としては主に以下のような権利があります。これは、いきなり認められた権利ではなく、人類が長年の歴史の中で培ってきた人権の歴史です。私達が一定の自由な生き方で生きることが出来るのは、人類の先輩達の取り組みの成果だということを知ることが大切です。
 なお、以下の基本的人権のほかに、環境権やアクセス権、知る権利、プライバシー権、パブリシティー権などの「新しい人権」も主張されるようになってきたという事もチェックしておきましょう。

自由権 社会権 基本的人権を守るための権利
●身体の自由
→他の人に拘束されない
●精神の自由
→意見や表現を自由に言える
●経済活動の自由
→職業を自由に選べる
→企業経営は自由にできる
●生存権
●労働基本権
→働いているひとの権利を守る
●教育を受ける権利
→義務教育は9年間
→学ぶ権利が保障されてこそ
 働けたり豊かに生きたりできる
●参政権
→選挙に投票したり、立候補したりできる
●請願権
→署名を集めるなどして、国に願い出ることができる
●裁判を受ける権利
→裁判での検証なしにいきなり罰せられることがない
●賠償請求権
→政治や行政の活動で人権侵害されたら賠償を請求できる

 なお、世界的には、「自由権」は19世紀以前にも認められていた権利ですが、20世紀に入ってから「社会権」が認められるようになって着ました。ドイツのワイマール憲法は社会権の規定を保障した憲法として有名です。

 そして、私達の現在の生活に密接に繋がっている日本国憲法は、上記の表でまとめた権利が保障されています。他の権利を守るための権利として「基本的人権を守るための権利」があります。この権利は具体的にイメージしにくく、理解しにくい権利ですが、実はとても大切な権利です。
 皆さんの身近な場面で例を挙げると、たとえば公立学校の先生が生徒間のいじめに関与していて、いじめっ子の味方をしていた場合は、被害者は学校側の行為で人権(自由権や社会権)を侵害されたことになるので、賠償請求権として、国家賠償法の規定で賠償を請求することができます。人権そのものだけでなく、その人権を守るために存在する別の人権が、「基本的人権を守るための権利」なのです。

 このほかにも、冒頭で述べた「新しい権利」も認められようとしています。今の日本国憲法には明文化されていない権利という事になりますが、憲法13条の「幸福追求権」や25条の「生存権」のひとつとして保障すべきという意見があるために提唱されています。

 なお、「新しい人権」の中でも、環境権は騒音の問題や日照権の問題としてよく取り上げられています。また、知る権利については、「情報公開法」という形で法律として保障されています。そして、パブリシティー権は、タレントの人権との関連でよく出てくる概念なので、皆さんが関心をもちやすい分野だと思います。

 また、基本的人権は、時に衝突する事もあります。ある人の権利を保障しようとすると別の人の権利に制約がでる場合もあります。その場合、個別的利益を超えて社会一般に共通する幸福や利益(公共の福祉)につながる権利を優先的に保護するという考え方が取られます。


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目次

はじめに
はじめに(トップページ)
地理・歴史・公民の違い
社会という「暗記科目」の効率的な学習
地理
世界地理と日本地理の2つに分けられる
白地図で地形や地名を覚えよう
グラフや図表をよく観ておこう
産業や農業製品、工業製品などは地図とセットで覚える
興味のある地域の風景などをインターネットで見てみよう
歴史
日本の出来事と世界の出来事
人物、出来事、年号は大きな流れを把握しながら覚える
世界の出来事は地理の学習とセットで覚える
文化史の部分は大きな流れとは別に覚える
地元の歴史(郷土史)にも目を向けよう
中学社会用の年表の目次
公民
基本は日本国憲法。
図を書いて覚える事がとても重要
時事問題はテレビや新聞のニュースで対策
中学公民のまとめの目次
中間・期末テスト
社会のテストで90点を取りたいと思う人が気をつけるべきポイント
社会のテストで平均点をとれずに苦戦している人へ
部活動との両立に悩んでいる人は「暗記メモ」を作ろう
定期テストの勉強で社会科に必要な暗記を積み重ねる
用語暗記だけでは対応できない「論述式」の対策
社会が得意な人は「9教科」(実技4教科:副教科)も成績がいい?
テスト勉強で学校のプリントやワークを活用する

自由研究・調べ学習特集

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