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中学公民:マスコミと世論・政党

【世論について考える上で大切な考え】
多数決の原理:多数派の意見が採用されるが、少数派の意見も尊重することが必要。

・マスコミは、有権者に各政党の動きや政策を分かりやすく伝えることで世論の形成に寄与するが、一方で、マスコミは世論に強い影響を及ぼす事から、特定の団体がマスコミを利用して世論を有利な方向に誘導させようとする「世論操作」の弊害もある。
・一方で、マスコミは、三権分立とは別の「第四権」と称されるように、一般市民の意見にもとづいて、三権(国会・内閣・司法)に対する批判・監視を行う。マスコミの機能が世論の形成につながることで、政府の不正を防止したり、社会的に問題となっている出来事に対して政府が適切な対応を行うように促したりできる。

【政党政治】
・考え方や政策について同じ意見を持つ人々が、それに基づく政治の実現を目指してつくるのが「政党」。政党を中心に議会が動いているのが「政党政治」。

【17世紀のイギリスの二大政党制】・・・名望家政党の時代
当時は制限選挙のもとで、富裕層の利益を代表していた(名望家政党)
トーリー党 後の保守党。現在でも保守党は存続中。
ホイッグ党 後の自由党。自由党は20世紀半ばごろ衰退、代わって労働党が台頭。


※制限選挙から時代が変化し、普通選挙が実現していく中で、政党は一般市民に支持を求めるようになった。こうして、「名望家政党」といわれた政党が「大衆政党」へと変化していった。)
※現在のイギリスの二大政党は、保守党と労働党。保守党はトーリー党時代からの二大政党の一つである。労働党は20世紀に「フェビアン協会」を中心に結成され、自由党に代わって新しく二大政党の一翼を担う事になった。

【二大政党制と多党制の国】
・現在の「二大政党制」の国としては、先に述べたイギリスのほか、アメリカ(民主党・共和党)、韓国(民主党・セヌリ党)が代表的。
・日本は、21世紀に入ってから、基本的には二大政党制(民主党・自民党)といわれているが、共産党・社民党などの少数政党も一定の議席を獲得し、少数意見が比例代表の並立制によって尊重されているほか、大きな政党が小規模の党と連立政権を組むなど、他党との連携もみられ、厳密には「多党制」といえる。

・多党制をとらない国(一党制)としては、中国(中国共産党)・北朝鮮(朝鮮労働党)が代表的。なお、旧東ドイツは、支配政党(ドイツ社会主義統一党)を中心として他の政党は支配政党の指導を認めた上での存在だったため「ヘゲモニー政党制」といわれる。

議席の獲得競争や政権交代が起こる制度 二大政党制(アメリカ、イギリス、韓国など)
多党制(日本、ロシアなど)
議席の獲得競争や政権交代が起こらない制度 一党制(中国、北朝鮮など)
ヘゲモニー政党制(旧東ドイツなど)

・日本では、かつて中選挙区制が採用され、自民党と社会党がおよそ2:1の比率で議席を持っている事が多かったため「1:2分の1政党制」とよばれ、この状態が維持されていた時代を「55年体制」という(自民党と社会党の体制がつくられたのが1955年であるため。)。
・その後、小選挙区比例代表制が採用されたのは1996年の衆議院の選挙以降。それより少し前のころから、「1:2分の1政党制」を形成した2つの政党とは違う政党が一定の議席を占めるようになった(時期によっても違うが、日本新党、新進党、新党さきがけ、自由党などの政党がこれに該当する)。これらの党が後に合流して民主党となって大きな勢力となり、今の「自民・民主」の2大政党制になった。なお、社会党は社民党に名称を変えて存続している。
・2009年、民主党がはじめて自民党より議席を多く獲得し、与党と野党が交代(政権交代)。民主党の鳩山由紀夫さんが首相になった。これまで、日本では自民党の総裁が首相になっていたが、2009年に自民党の総裁になった谷垣禎一さんは、この時、首相に就任せず、野党の党首として活動した。

※日本の総理大臣や連立与党の構成はたびたび変わる。最新の情報をテレビや新聞で調べ、今の総理大臣の名前と、与党の名前は覚えておきましょう。
※「名望家政党」と「大衆政党」の違い、「単独政権」と「連立政権」の違いを調べて覚えておきましょう。

【圧力団体(ロビイスト)】
・業界団体や労働組合など、特定の分野に関心を持ち、特殊利益を追求する集団のこと。政権の獲得を目指さず、政治的に結果責任が問われないので、圧力団体は政党とは違う性質を持つ。

・政党と圧力団体との結びつきは、時に、政党が圧力団体の言う事ばかりを聞くようになってしまう弊害がある。圧力団体は特定の利益を受けたい人たちを代表するだけで、国民の代表とは必ずしもいえないため、政党と圧力団体が過剰に結びつくと、政党と結びつきがない一般市民の民意が反映されにくく、特定の利益の実現のためだけの政治となってしまい、政治の公正な決定や運営が歪められるというデメリットがある。


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目次

はじめに
はじめに(トップページ)
地理・歴史・公民の違い
社会という「暗記科目」の効率的な学習
地理
世界地理と日本地理の2つに分けられる
白地図で地形や地名を覚えよう
グラフや図表をよく観ておこう
産業や農業製品、工業製品などは地図とセットで覚える
興味のある地域の風景などをインターネットで見てみよう
歴史
日本の出来事と世界の出来事
人物、出来事、年号は大きな流れを把握しながら覚える
世界の出来事は地理の学習とセットで覚える
文化史の部分は大きな流れとは別に覚える
地元の歴史(郷土史)にも目を向けよう
中学社会用の年表の目次
公民
基本は日本国憲法。
図を書いて覚える事がとても重要
時事問題はテレビや新聞のニュースで対策
中学公民のまとめの目次
中間・期末テスト
社会のテストで90点を取りたいと思う人が気をつけるべきポイント
社会のテストで平均点をとれずに苦戦している人へ
部活動との両立に悩んでいる人は「暗記メモ」を作ろう
定期テストの勉強で社会科に必要な暗記を積み重ねる
用語暗記だけでは対応できない「論述式」の対策
社会が得意な人は「9教科」(実技4教科:副教科)も成績がいい?
テスト勉強で学校のプリントやワークを活用する

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